突然ですが「美味しいコーヒーを入れるために必要なことは?」と聞かれたら,どんなことをイメージしますか?
ほとんどの人は,お湯の注ぎ方や使う器具といった「抽出方法」をイメージするかもしれません。
でも,実は抽出の段階では,豆の持つポテンシャルを超えるコーヒーを淹れることはできないと言われています。
つまり,美味しくないコーヒー豆を,どんなに上手に抽出しても美味しいコーヒーにはならないということです。
美味しいコーヒーを淹れるためには,それより前の工程が同じくらい大切だと言えます。
というわけで,この記事ではコーヒー豆ができるまでの流れを解説していきます!
栽培と収穫
コーヒーは標高800mから2000m前後の高地で栽培されます。
コーヒーはとても繊細で不安定な植物なので,気候の変動や病気によってだめになってしまうこともあります。
栽培の仕方によっても、コーヒーの仕上がりは大きな影響を受けます。
山岳地帯で栽培されるので,ほとんどの場合農家の方が手摘みで収穫します。
精製
コーヒーの実から果肉を取り除き,豆を取り出す作業のことを「精製」と呼びます。
精製の過程で,果肉の香りが豆に移ったり,発酵によって素の実には存在しない香りが発生したり,といった様々な変化がおきます。
乾式,湿式,半湿式など様々な精製方法があります。
中には動物に一旦食べさせて,フンから豆を取り出すという過激なものもあります。
同じ実でも精製方法が違えば,コーヒーの味や香りも全く変わります。
選別
生成されたコーヒー豆は脱穀されたのち「選別」という作業に回されます。
ふるいにかけたり,人の目で確認したりしながら,ランク付けする作業となります。
豆の種類,大きさ,栽培地,品質などによって格付けされます。
選別が完了したコーヒー豆は,麻袋などに梱包されて世界のあちこちに配送されます。
焙煎
そもそも焙煎前の生豆は,とても苦くて食べたり飲んだりできるものではありません。
焙煎することにより,豆の中の水分が飛び,熱によって様々な化学反応がおき,あのコーヒーの独特の香りが出来上がります。
また,焙煎は生豆のポテンシャルを引き出す作業とも言われています。
単に決まった時間や温度で焙煎すれば良いというものではなく,コーヒーの品質や精製方法によって調整が必要なとても繊細な作業です。
ブレンド
コーヒー豆は栽培された地域や季節によって味にバラつきがあります。
このばらつきを一定にするために,ブレンド(配合)を行うことがあります。
味を安定させるだけでなく,1つの豆だけでは出せない新しい香りや味わいを開発することもできます。
グラインド(挽く)
抽出可能な粉の状態にするため,豆を挽く作業です。
コーヒーを淹れる直前に行うと,豆の酸化や劣化を最低限に抑えられます。
淹れる方法に合わせて粒子の大きさを調整します。
このとき,できるだけ均一な粒子の大きさにすると,雑味が抑えられて旨味を引き出すことができます。
抽出
ここまで来て,いよいよ抽出です。
仕上がった豆のポテンシャルを100%引き出せるかどうか、腕の見せどころです。
一般的なペーパードリップ以外にも、ネル、フレンチプラス、エスプレッソなどさまざまな抽出方法があります。
最近ではこれ以外にも新しい抽出方法が開発されておりとても盛り上がってきています。
まとめ
いかがだったでしょうか。コーヒーがわたしたちの手元に届くまで,本当にたくさんの工程があることがわかりますね。
たくさんの人が美味しいコーヒーを目指して努力した結果を私たちは頂いているわけです。
こんなロマンもコーヒーの魅力だったりします。
ではまた~